TNCプロジェクトの企画「奈良大和路のみほとけ~令和古寺巡礼展」は、山口県立美術館、MIHO MUSEUM(滋賀県)に続いて山梨県立博物館で開幕しました。
古事記に「大和は国のまほろば」とうたわれ、人々が「素晴らしいところ」と愛でた奈良。
はるか1500年以上も前の6世紀頃から古代の都が置かれ、国家の基礎づくりが始まりました。政治経済のみならず文化も大輪の花を咲かせます。
国の安泰や五穀豊穣を願い仏教が広まり、数多くのみほとけの像や荘厳の品々が創られていきました。近代以降、會津八一、和辻哲郎、亀井勝一郎、志賀直哉など日本を代表する文士が憧れ、巡礼するかのごとく訪れた地でもあります。そして、今なお、私たちを魅了しています。
本展では法隆寺、東大寺、薬師寺、唐招提寺、西大寺、大安寺など奈良各地の寺院に祀られ信仰の対象とされる仏像などを、優れた美術作品としても鑑賞していただければと思います。
展覧会会場では、あたかも奈良大和路の古寺を巡礼しているような気分にひたっていただき、歴史の重みや心の安らぎを感じていただきたい展覧会です。
山梨展では快慶作の重要文化財・地蔵菩薩立像(東大寺)、善円作の重要文化財・地蔵菩薩立像(薬師寺)が初お目見え。また模写ながら著名な日本画家、入江波光などによる法隆寺金堂外陣旧壁画模写は圧巻です。国宝や重要文化財も含むおよそ60件の仏像や絵画、奈良を撮り続けた入江泰吉の写真などが展示されています。