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「宮崎学さんに教えてもらった」

宮崎学さん(73歳、長野県在住)の写真展
“イマドキの野生動物”が観たい!

テレビ番組「情熱大陸」や「新日曜美術館」で宮崎さんの写真のことを知った友人の声に促され2021年に東京都写真美術館で開催された本展を観て、これは他所でもやるべき展覧会だと思いました。以前からご縁があった高崎市美術館(群馬)が受けてくれ実現しました(2023年6月24日(土)から9月3日(日)まで開催)。

これまで知られなかった行動を捉えた写真

「やるべき展覧会」と私が思ったのは、人間社会が野生動物にもたらしている影響や宮崎さん流の工夫で野生動物のこれまで知られなかった行動を捉えた写真に感動し、それを伝えたいと思ったからです。人間は自然界の一員なのに自然と対峙し征服しようとしている・・・そんな宮崎さんのメッセージも伝えたかったからです。

宮崎さん流の工夫とは?学校を卒業後、就職したレンズ組立工場でカメラに触れ、地元長野県伊那谷でカメラを持って野生動物を追いかけます。動物を注意深く観察、やがて、その行動を読み解き始めます。動物が人間の殺気を感じるとうまく撮影できないと思った宮崎さんは、赤外線センサーとロボットカメラを組み合わせた自作の無人撮影機を森の中に仕掛け、撮影困難な野生動物の知られざる姿を写真に収めていくのです。人間には見せない姿がそこにはあります。

セットされた三脚に立ってカメラマンのような仕草をするツキノワグマ、大雪の夜に木にたたずむフクロウは効果的な照明で表現され幻想的です。ニホンジカやタヌキの死体を多くの動物たちが食べ、最後は土に還っていく様子を捉えたシリーズ「死」は輪廻転生や自然界の循環を教えてくれます。また、人間の生活領域に現れる動物の写真を通して現代の人間社会の問題点を映し出します。宮崎さんは「自然界の報道写真家」です。

宮崎さんの言葉

宮崎さんの写真には多くのメッセージがあります。以下、宮崎さんの言葉です。

「人間から見た自然ではなく、生き物から人間を見たらどう見えるかの視点を大事にしている。自分の写真には毒がある。覚悟を持って見てほしい」
「人間は社会と自然は別物と思っているけれど、そろそろ大きな忘れ物をしていることに気づかないといけない。地球が大家さんだとしたら人間だって、クマだってシカだって店子(たなこ)です」
「自然は止まっていない、刻々と変わる。人間の思考が止まっている」
「子供の時は自然の中で大いに遊んでほしい。自然界は教科書にない体験を教えてくれる。自然界は学習塾。そこで学んだことをたくさんポケットに詰め込んで、やがて大人になった時、もう一度ポケットの中を探してみようよ」

宮崎さんに初めて高崎でお会いしました。人間も惚れてしまう優しいお人柄。森の中の経験などお話も面白い!(宮崎さんはYouTubeでも発信中。検索:宮崎学YouTube)

この写真展、日本全国の美術館や博物館で開催したいと思っています。開催のご希望があればTNCプロジェクトに是非、お問い合わせください。

写真提供:宮崎学さん
筆者:のぎめてんもく

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