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メイキング・オブ・『わたしたちのルノワール』④

開幕直前、ラストスパート

 『わたしたちのルノワール』展は7月18日の開幕(熊本県立美術館)まで10日ほどになってきました。最後の準備が急ピッチで進んでいます。今回は、開幕直前の仕事について紹介します。
[2026年7月18日~9月13日] 熊本県立美術館開館50周年記念特別展 わたしたちのルノワール - 熊本県ホームページ

全国35か所から作品が集まる

 5月上旬からは、作品をお借りする所蔵者や美術品輸送会社と調整を重ね輸送計画を立ててきました。東北から九州まで35か所からお借りします。それぞれの所蔵先へ開催美術館の学芸員が赴き、今まさに作品をお借りしている最中です。展覧会開幕の5日前には、展示するすべての作品を無事に会場へ搬入しなければなりません。

 作品をお借りする際には、お貸し出し側とお借りする側が一緒に作品の状態を細かくチェックします(写真上)。お借りした時と同じ状態でお返ししなければなりません。そのためにお借りした時の状態~キズや汚れなど~を調書に記入しておきます。同時に借用書や作品の保険加入証明書をお渡しします。こうした作業を全国35か所で行い、作品は開催館の学芸員が添乗した美術品専用車で第1会場の熊本まで運びます。

図録も、ホームページも、最後の仕上げへ

 作品の借用と同時に進めているのが、図録制作、会場装飾、そして公式ホームページの制作です。
 展覧会図録は昨年末から外部の専門家へ掲載論文を依頼し、作品解説などは2月から開催美術館の学芸員に分担して執筆してもらいました。4月末の原稿締め切り後は、依頼した美術出版会社が編集・製本を進めていきます。文字の校正や作品図版の色校正を何度か繰り返します。校了したかと思うと、次から次にまた修正が指摘され、6月末の校了予定がずれ込んでしまいました。果たして間に合うのか!ハラハラドキドキです。展覧会が終わったあとも残るのが図録ですから、いいものに仕上げなければなりません。手元に届いた第4校のゲラを見ましたが、いい図録になりそうです。

 会場装飾関連で、作品キャプションや作品解説、年表、あいさつ文などのパネル制作があります。デザイン会社と相談しながら作っていきます。さらに、開幕に合わせて公式ホームページの制作も進行中です(開幕直前に開設の見込みです)。そのほかにも展覧会グッズの制作・販売や音声ガイドなど、準備は多岐にわたります。今回の音声ガイドのナレーターは、熊本県出身で元NHKアナウンサーの武田真一さん。あの優しい語り口で作品を案内していただけるのは楽しみです。作品の展示だけではなく、多くの仕事を多くの人たちと一緒にやっています。無事に展覧会が開幕するようにラストスパートです。

雑感 『わたしたちのルノワール』を探してみると

 今回の展覧会は印象派の巨匠ルノワールが「わたしたちのルノワール」~身近になっていく道筋をたどるものです。
まずは、全国各地にある「喫茶ルノアール」。(ルノワールではありませんが。)店内にはルノワールの複製画が飾られ、ランチメニューには「ルノワールセット」までありました。

 JR静岡駅の東口には、ルノワールの彫刻がありました。《写真左:勝利のヴィーナス》と《洗濯する女》の2体です。静岡の人たちの日常の風景に、ルノワール作品が自然と溶け込んでいるようです。これも『わたしたち(静岡)のルノワール』なのかもしれません。
 

 そして、福岡が本社で西日本一円に展開する「リョーユーパン」のテレビCMにルノワール作品が使われています。普段何気なく目にしているCMにも、ルノワールは登場しているのです。《参考》リョーユーパン テレビCMギャラリー リョーユーパン - YouTube
 「人生、辛いこと苦しいことがいっぱいある。だから楽しいことをいっぱい描くんだ。」
そう語ったルノワールは、「幸福の画家」とも言われます。だからルノワールは私たちにとって親しみやすい画家なのでしょう。「わたしたちのルノワール」展~まもなく開幕です。

筆者:のぎめてんもく

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