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「リアリズム~写実絵画の展覧会」

TNCプロジェクトがコーディネートする「超絶リアリズム絵画~ホキ美術館所蔵名品展」が福岡アジア美術館で開催されます(9/7~10/13)。ホキ美術館(千葉市)は、写実絵画だけを収集する世界でも数少ない美術館です。筆者が初めて同館を訪ねた際、画家たちの技術レベルの高さに感動すると同時に、それぞれの作品からはオーラのようなものも感じて3時間も滞在したことを覚えています。

今度の展覧会の中から作品を紹介します。ポスターに使わせてもらった生島浩さんの作品《5:55》です。 

左の窓から光が差し込んでいます。女性は正面を見ず、何か少し不満げな感じにみえます。テーブルの蠟燭の火は少し前に消え、インク瓶の蓋は空いたまま。ペンは紙の上に置かれ、書かれた一枚の紙は手紙でしょうか。左に丸められたまま放置されています。

ミステリアスなこの絵はホキ美術館の名作になっています。絵のタイトル《5:55》は5時55分ということです。確かに壁の時計は6時前5分を指しています。薄暗いこの部屋は夕方の部屋だということが分かります。写実の絵は何が描かれているかは分かります。描かれているのは一瞬の時間です。その前後や女性の心理を想像してみるのも面白いと思います。彼女は誰か?誰かに似てないだろうか?何か不満なのかだろうか?あと5分経って6時になったらどこかへ行くのだろうか?実際の絵の前で、想像を膨らませて自分なりの解釈で遊んでみるのも楽しいことです。

今回、展示される64点の絵画は全て写実なので、描かれているのが「何か」は分かりますが、画家の「思いは何か」「伝えたいことは何か」を絵の前に立って想像を巡らせ、自身の感想を言葉にしてみてはどうでしょう。

 

筆者:のぎめてんもく

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