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足立美術館所蔵「横山大観展」~北九州で開催中

島根県安来市にコロナ前、年間60万人超が訪れた場所があります(昨年度は、コロナ明けで8割程度は戻って47万人の来館者)。山陰地方の小さな街に何があるのか?足立美術館です。足立全康氏が創設した同館は秀逸な美術品コレクションだけではなく日本庭園の世界ランキング21年連続1位という輝かしい記録を持っています。「美のテーマパーク」です。

開館50周年企画は何を?

同館屈指のコレクションが「横山大観」作品です。TNCプロジェクトの企画協力により北九州市立美術館(以下、北九州市美)で開館50周年記念「足立美術館所蔵 横山大観展」が開催中です(5月19日まで)。この展覧会の成り立ちをご紹介します。

旧知の北九州市美の学芸員さんから「数年後に開館50年なんだけど」という話が舞い込んできました。シャガール(館長の卒論のテーマですし)展は?奈良の国宝を含む仏像展は?北九州市美は院展をやっているから日本画の巨匠・横山大観(日本美術院創設者)展は?どれも企画できると踏んでの提案です。早々に大観に絞られました。2005年に福岡市美術館で「横山大観展」を企画実施した経験がありました(10万人の入場者で大成功でした)。その時、お借りできなかったのが大観コレクションで有名な足立美術館でした。再チャレンジしたい!実はそれ以前にも2度、別の企画でチャレンジしたもののご縁がなかったのです。4度目のチャレンジです。

交渉開始~うまく進む

2年前の秋、北九州市美の館長たちと足立美術館に交渉に出かけました。足立隆則館長、旧知の安部学芸部長に対応いただきました。「開館50周年記念の展覧会に同館所蔵の横山大観を選んでもらい光栄です。」足立館長から、そんな嬉しいコメントがあり、翌年には視察のため北九州市美を訪問されました。世界的な建築家、磯崎新設計の北九州市美を気に入っていただき、話はとんとん拍子に運んだのです。展示作品については、目玉となる名作「紅葉」の出品も確約いただき、その後の両館の話し合いで出品リストには代表作「無我」、大観得意の富士山の作品など、どれも秀逸な作品が並びました。

輸送や展示、保険などなど、展覧会につきものの課題も問題なくクリアしていきました。開館50周年のお祝いですから主催に多くのメディアの応援があるといいな、と考え各社に相談の結果、新聞社3社、テレビ局2社、ラジオ局1社の計6社が主催に加わりました。

こうして足立美術館チャレンジは4度目にして成就したのです。展覧会は5月19日まで。屏風の名作、圧巻の「紅葉」は、多くの方にご覧いただきたいものです。そして、是非、季節ごとに素晴らしい姿を見せてくれる庭園のある足立美術館へ一度は訪れていただきたいです。

足立美術館へは

岡山で新幹線から伯備線に乗り換え、山あいを縫って電車は北へ走ります。車窓の右手に中国地方最高峰の美しい姿の山「伯耆大山」が見えると、鳥取の米子は間もなくです。「特急やくも」は米子の次に安来駅に停車します。安来駅には足立美術館への無料シャトルバスが待ってくれています。20分で到着です。

米子の夜は

安来には宿泊するところが少なく、泊まるなら電車で8分の米子です。改装なった米子駅の前の通りはにぎやかです。そこで見つけた居酒屋「あやめ亭」へ。ご夫婦でやってらっしゃるお店。小学生の娘さんがお料理を運んでくれます。明るく元気な大将との会話はお酒と料理を一層美味しくさせてくれました。「隠岐誉高正宗」「千代むすび」といった山陰地方のお酒もいただき至福の夜です。

足立美術館ホームページ 足立美術館|ADACHI MUSEUM OF ART
北九州市立美術館ホームページ 足立美術館所蔵 横山大観展|北九州市立美術館
横山大観記念館ホームページ 公益財団法人 横山大観記念館
あやめ亭 あやめ亭 | 米子駅前の居酒屋

筆者:のぎめてんもく

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